認知脳システム学

人間の解析的なモデル化は困難です.脳科学や認知科学で知り得る人間の知識には限界があります.一方,人間の機能を統合的にロボットで実現することは可能です.

これはいわば,ロボットによるモデル化です.

ロボットによるモデル化を通して,人間と機械の関わりを研究し,人間の脳に親和的なシステムの設計指針を提案するのが本拠点の目指す認知脳システム学です.
脳認知システム学

人間らしい動作や表現を実現するロボット研究

人間らしい動作や表現を実現するロボットの研究では,人間らしい動作を実現する機能,人間らしい感情を表現する機能,さらには,カメラやマイクロフォンや皮膚センサ等,多数のセンサと組み合わせて,人間らしく対話する機能を実現してきました.

これらの研究は,単なるロボット研究ではなく,人間理解のためのロボット研究として,世界中のメディアで報道され,世界中の注目を集めています.

また,これらに関わるロボットやメディア研究において,事業推進担当者はこれまでに5つの内閣総理大臣賞,文部科学大臣賞を受賞してきました.

人間のような学習・発達機能を実現する研究

人間のような学習・発達機能を実現する研究では,脳機能の解明に取り組むとともに,その成果を基に,行動を学習するロボットを開発し,脳科学的に解明した脳機能をロボットを使って,その脳機能の有効性を工学的に実証してきました.

また,最近では,子供の認知発達過程に注目して,自律的に感覚と行動を統合学習するロボットの研究に取り組んでいます.

人間とロボットの関わりから脳を理解する研究

人間とロボットの関わりから脳を理解する研究では,半自律遠隔操作型のアンドロイドを用いた,人間のシステムへの適応の研究に取り組んできました.

このシステムは,操作者が遠隔地のアンドロイドの体を介して,訪問者と関わるというシステムですが,訪問者と操作者の双方が強いシステムへの適応を見せます.

訪問者はしばらくすると,アンドロイドを操作者本人だと認識するようになります.その認識がアンドロイドのもつどのような人間らしさに起因するものであるかを,認知科学的,脳科学的手法で調べています.

また,アンドロイドのほほをつつくと,操作者はモニタを見ながらしゃべっているだけなのに,ほほにさわられた感覚を覚えます.その感覚を脳科学的に突き止めようとしています.

そして,この遠隔操作の研究は,直接ロボットと脳を結びつけるブレインマシンインターフェースの研究にまで発展してきています.

未来工学で実現する情報・機械システム

これまでの情報・機械システムは計り知れない恩恵を我々にもたらしましたが,一方で,その特定の利便性の追求によって,ネット社会への過剰な依存や情報・機械の過剰利用,情報・機械への不適応という問題も生み出しています.

この問題を解決するには,人間の脳理解に基づき,人間に親和的なシステムを実現する必要があります.

我々が取り組む,認知脳システム学は,そのような人間に親和的な情報・機械システムの設計指針を生み出すものです.

そして,未来において,適切な人間関係を築くシステム,脳への負担を軽減するインターフェース,高齢者も利用な可能な情報・機械システムを実現します.

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