第36回創成塾

[2011.06.27]


2011年6月28日(火)18:00-20:00  吹田キャンパス 医学部共同研究棟7Fセミナー室(D71-09)にて第36回創成塾を開催いたします。

内容:
18:00-18:20 後藤 哲 (大阪大学大学院医学系研究科 助教)
18:20-18:30 質疑応答
18:30-18:50 清水俊彦 (大阪大学大学院基礎工学研究科 D3)
18:50-19:00 質疑応答
19:00-20:00 パネルディスカッション

医学部共同研究棟7Fセミナー室(D71-09)

講演1:後藤 哲 (大阪大学大学院医学系研究科 助教)
「言語脳機能マッピングと意思伝達BMI」

 ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は脳信号を解読し外部機器を制御しようとする技術である。言語BMIはALSや高位脊髄損傷により重度の麻痺を有する患者の意思伝達機能の補助することが期待されている。一方で、多くの脳領域とそれらを繋ぐ接続が言語処理過程に関与し複雑であるため、単施行で再現性のある脳信号を見出すのは難しい。そこで、まず脳機能を知る必要があるのではないかと考える。はじめに、我々が脳腫瘍やてんかん患者の術前に用いている皮質電気刺激や皮質脳波、そして脳磁図を用いた言語機能評価法を紹介する。次に、硬膜下電極を用いた発声内容の単一施行弁別を行った研究を紹介したい。本研究では、治療上の必要性から慢性硬膜電極を留置した5名の被験者で皮質脳波を計測した。3種類の発声を弁別したときの正解率はおよそ60%で、時間経過では発声前から正解率の上昇がみられた。弁別に寄与したチャンネルは口部運動野である下部中心前回、左下前頭回、そしてさらに前頭前野背外側部であった。本研究により慢性硬膜下電極を用いた言語BMIの実現可能性を示した。

講演2:清水俊彦 (大阪大学大学院基礎工学研究科 D3)
「変化順序に基づくヒューマノイドロボットの動的な全身運動の学習」

 ヒューマノイドロボットの動的な全身運動に関する研究が盛んに行われている.運動制御において,環境の不確実性や未知の外乱への適応性を獲得するため,学習を取り入れる研究が多い.しかし一般に高い関節自由度を持つヒューマノイドロボットでは,運動学習において高次元の連続状態や行動空間での探索が要求されるため,学習にかかる計算コストが問題となっている.このような問題への対処法の一つとして,実現すべき運動を部分問題に分割し,問題毎の最適化を行う手法が挙げられる.現在までに,教示例からの成功指標の抽出や人間の運動戦略の利用など様々な手法が提案されている.
 本研究では動的な全身運動に見られるダイナミクスの遷移に注目している.一般にロボットの運動開始から終了までの間には,環境との接触状況やロボットの姿勢に応じて,複数回のダイナミクスの遷移が起こる.そこでこうした一連の遷移を逐次的に達成する運動計画を行うことで,最終的な運動の実現に繋がると考えられる.本研究ではダイナミクスの遷移を表現する特徴量として変化順序を提案する.変化順序はロボットに搭載された各種センサの出力値の変化パターンに基づく特徴量である.本発表では,提案した特徴量を利用した実験例として,人がロボットを支えて歩くインタラクションを通じて獲得された変化順序が,ロボットの歩行学習に寄与すること等を示す.

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