第46回創成塾

[2012.04.19]


2012年4月24日(火)18:00-20:00 豊中キャンパス 基礎工学部シグマホールにて第46回創成塾を開催いたします。

内容:
18:00-18:50 谷 淳 (チームリーダ,理研脳科学総合研究センター)
18:50-19:00 質疑応答
19:00-20:00 パネルディスカッション

基礎工学研究科 国際棟 Σホール

講演1:谷 淳 (チームリーダ,理研脳科学総合研究センター)
「『心』のメカニズムについての構成論的な理解:ニューロロボティクス研究の事例から」

「心」のメカニズムの理解を難しくしている理由として、この問題自身が多様な様相を持っていることが挙げられる。「心」の理解においては、主観と客観といった現象学的な視点、行為の側面に注目した心理学的な視点、計算論に基づく認知科学的な視点、生物学への還元を目指す神経科学的な視点、「心の理論」に基づく社会認知的な視点、各種精神疾患の病理に関する医学的な視点といった、それぞれの異なる視点に基づく説明が行われてきたが、もしその本質的な理解があるとすれば、それはこれら視点の違いを超越したものであろう。本講演においては、多様な視点に基づく「心」のメカニズムの理解をめざし、演者が過去に行ってきた各種ニューロロボット実験研究について概説する。演者は、本研究の中心的なモデルとして、現在の意図に基づいてトップダウン的な予測をもって行為を生成するプロセスと、その行為の結果の現実についてのボトムアップ的な認識を通して意図が変性されていくプロセスの両者から成り立つモデルを提案してきた。上述のモデルを利用したニューロロボット実験の結果において、機能的階層性の創出に伴うコンポジショナリティの獲得、自然発生的な行為およびイメージの生成、意識的、無意識的な状態の動的な遷移、他者理解と協調の動的構成、脳内の結合構造不全に伴う、統合失調症、自閉症などの精神疾患的な状況の発生等が観測された。提案するモデルは、このような「心」の生み出す多様な現象について、それらの関係性をもって、視点の違いを超越した説明が可能なことから、「心」の本質をある程度捉えていると考えられる。

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