第60回創成塾

[2013.03.12]


2013年3月19日(火) 18:00-20:00 吹田キャンパス 工学研究科 M4-201にて第60回創成塾を開催致します.

内容:
18:00-18:40 鮫島和行(准教授, 玉川大学脳科学研究所)
18:40-18:50 Q&A
18:50-19:30 森裕紀 (助教, 大阪大学大学院 工学研究科)
19:30-19:40 Q&A
19:40-20:00 学生とのパネルディスカッション

吹田キャンパス 工学部 M4-201

講演1:鮫島和行(准教授, 玉川大学脳科学研究所)
「脳は強化学習をどう実現しているのか? ―動物および人における強化学習の神経対応―」

我々の意思決定は、過去に得た報酬と自ら行った行動の来歴に強く依存している。主に機械学習分野で発展されている強化学習の理論は、ヒトおよび動物の適応行動を良く説明することができる。この十数年の間に、これらの強化学習の枠組みを用いて、いくつかの強化学習アルゴリズムが大脳皮質―大脳基底核の神経回路において実現されるのではないかという仮説モデルが提案されてきている。このトークでは、これらのモデルを検証するために、我々のデータを含む線条体からの単一神経細胞記録およびヒトの被侵襲脳活動計測データについて紹介する。これらの理論的枠組みに基づく実験計画と解析によって、主に前方の線条体が、対象価値の比較を認知的に行う際に重要な働きをする事、および大脳皮質前頭極が不確実で変化する環境における探索行動と関係し、さらに前頭極の活動が個人にとっての新規な商品選択を行う際に関与する事を示す。このトークではさらに、理論と実験を行き来する事の重要性、および計算理論を神経生理実験および認知心理実験に用いることの重要性について議論したい。

講演2:森裕紀 (助教, 大阪大学大学院 工学研究科)
「ダイナミカルシステムアプローチに基づく初期胎児行動発達シミュレーション」

この数十年の発達学において新生児高い認知能力や胎児の学習能力が証明されてきた。それと同時に、早産児が発達障害を持つリスクが高いという報告があり、医学的にも早産児の発達ケアは重要な課題となっている。発達ケアとして子宮内の環境を補うような「包み込み」と呼ばれる方法等が新生児集中治療室では行われるがその効果については賛否が分かれているが、ヒトの胎児や早産児に対して実験的な研究をする事は難しく、胎児の発達メカニズムの理解は重要な課題である。我々は胎児行動発達理解を構成論的アプローチの観点から進めるため、胎児の全身筋骨格モデルを開発している。このモデルは198本の筋と1542個の触覚細胞を持ち、20週の質量や形を再現している。本発表では、この身体モデルを用いて触覚経験が行動発達を導くとする初期胎児行動発達仮説を検討した結果について報告する。

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